『華國ノ史』
 月の民が使う魔法は超特殊特性であった。

 それ故煌皇に目をつけられる。


 戦力に組み込もうとも考えたが、あまりにも彼等の存在は危険であった。

 
 かつて月から降りてきた女神と結ばれた男が作った一族であると言われる。


 そんな一族が使う特殊な魔法は


「十五夜の魂」

 
 死ぬ間際の月の民は自身の魔力と魂の一部を、生きている者に譲渡する。

 
 それは何世代にも渡って繰り返される。


 初めは弱い魔法であった。

 しかし、年月を重ねるにつれ魔法が使える者は少なくなり、

 少なくなった故にその力は濃くなった。


 このままいけば遥かな力を身に付けると考えた煌皇国は、

 月の民の抹殺を企む。

 
 受け継ぐ者が消えればこの魔法は消失するからである。

 
 しかし、他の支配下である国に知られれば反感を買うのは当然であった。


 その為大軍は動かせない、

 だが、それでは月の民を全滅に追いやるのは難しかった。

 
 その為に煌皇国は少数の魔法使いを送り、禁術を次々と使った。

 
 水源には毒を、そして海と崖上からは悪魔を召喚したのであった。




 
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