『華國ノ史』
 大陸南端の浜辺、煌皇国料ビックオズの浜辺には煌皇の軍旗が掲げられていた。

 
 近くの港街からは多くの物資が運ばれ続け迎撃体制が敷かれる。

 
 この浜辺は海岸から延びる砂浜が200メートルあり、艦隊上陸に適した地形でもあった。


 帝都へと続く港街からも近く、ここが決戦の前哨戦の場になること事は明確なものであった。
 
 
 ボーワイルドの指示により、砂浜に近い場所には木の杭が打たれ、小高い丘が作られている。


 その丘を柵が幾重にも築かれ、ここの守りの要であるビックオズの城を守っていた。


 船を迎える為に帝都から投石器は全てここに集められ、弓も矢も多くが集まった。


 防衛に際し、ボーワイルドは長槍を大量に発注し、足りない分は木を削り出し防衛陣に組み込んだ。


 フードを被ったボーワイルドは海を見つめ帰還し、叱咤を受けたゼレイドに合う。


ゼレイド
「情けない陣容だ。


 煌皇軍がこのような防衛主体の」

 
 そこまで言うとゼレイドは後悔しボーワイルドを見た。

 
 ゼレイドは自分の苛立ちをボーワイルドが敷いた陣に対して八つ当たりしたのに気づく。


ボーワイルド
「元より、眠り龍城を落とした後は防衛に徹するつもりであった。


 やっとその時が来たと言うまでの事だ。


 手駒は大分と減ったがな」


 ボーワイルドはただ海を見ていた。


ゼレイド
「ならばこの戦い勝てると?」


ボーワイルド
「言っただろう?

 戦争が始まる前に、

 私なら勝てると。

 私なら」


ゼレイド
「私なら、ね」

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