『華國ノ史』
 セブン率いる華國第三団は月の民の隠れ里を南下し、ビックオズの浜に迫っていた。


 その行く手を阻む様に街が見える。



 近くまで行けばその様相が見てとれた。


 街に城壁は無かったが、通路には木柵と家財でバリケードが施されている。


 街の中心であろう大きな建物は砦と化していた。


 幾つもの家が計画的に壊され、進行する道の選択肢を削っている。


 ボーワイルドの計画通りに作られたそれは今までの様に容易な戦いにならぬであろう事を思わせた。

 
 街を一つ壊した煌皇軍を鑑みて、第三団は南征初の決死戦になるであろう事を感じる。


 街の名は「巡礼の廻廊」

 南の神を祀った地下神殿への玄関口であった。


 迎え撃つのは


 帝都重装備守衛隊
 「一つ目の番兵」


 そして
 
 五大将軍に対をなす


 煌皇国五大貴族
 「崇煌五家老」

 の二大勢力であった。


 
 

 
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