『華國ノ史』

ビックオズ上陸戦(中編)

煌国将軍軍ゼレイドはワイバーンを操り、空を飛び続けた。


 西から南へ、南から東へ、そしてまた南へ。



 疲労感漂うゼレイドをボーワイルドは厚く労い、報告を待った。


ゼレイド
「恐らく三日で合流しここに来るだろう。


 小さいのまで合わせればおよそ三千籍、兵力までは分からん。


 大陸中の船が一同に会すぞ」


ボーワイルド
「兵力は恐らく三万といったところか、ここの守備隊が五千。


 帝都が二万。

 
 厳しいな」


ゼレイド
「ここの兵力が少な過ぎる。


 北に回した正規兵は?」


ボーワイルド
「あれは捨て石だ。

 帝都で奴等を仕止めるにはここで兵力を使えん」


ゼレイド
「北も見たが、たった千程度だぞ?

 あの砦と化した街が捨て石だと?」 


ボーワイルド
「少数だから恐ろしい。


 私を敗退させた部隊であるに違いない」


ゼレイド
「ならば私が海上で戦った者は?」


ボーワイルド
「クラッシュか、またはケイロンか」


ゼレイド
「こちらにも何か大きな力がいりそうだ」


ボーワイルド
「私と貴公がおるではないか?

 安心されよ、考えはある」
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