『華國ノ史』
 開始と同時に動いたのは怒りの頂点に達したセブンだった。

 グローブの手の平を前に両手で次々に魔法の玉を撃ち出していた。

ウルブス
「凄い威力だ」

クラッシュ
「あれはコツが要らんからな、だが魔力が尽きるぞ」

 セブンの猛攻にたまらずカトリは後方に逃げた。

 それを見てかセブンはカトリに向かって一直線に前進しながら撃ち続ける。

 バリケードは粉々になって飛び散り、カトリの反撃の魔法球でさえ弾き飛ばした。

 最後のバリケードが砕け、カトリがのたうち回るとセブンは攻撃をやめ走り出した。

クラッシュ
「ん?」

 ウルブスは次の瞬間走った。

 セブンはカトリに馬乗りになってカトリを殴り初めていた。

クラッシュ
「あいつ見た目よりかなり狂暴だな!


 本当に、うはは、しかし強い」

カトリ
「参った。参った!」

セブン
「二度と家族の悪口を言うなよ!」

カトリ
「分かった。許してくれ」

 ウルブスがセブンの後ろに立った。

 
 セブンは自慢気にウルブスを見たがウルブスは笑っていなかった。

 
 それどころか厳しく鋭い目をセブンに向けていた。

セブン
「ウルブス?」

ウルブス
「何でも暴力で解決するとは野蛮ですな、

 ご家族の教育が悪かったのでしょう。

 ご両親も野蛮でしょうな?」

セブン
「違う!友達だろ?

 何でそんな酷い事を言うんだ!」

ウルブス
「では決闘ですな?」

 ウルブスは返事を聞かず、カトリのグローブを外し自ら着け、

 セブンが元いた場所に向かった。

ウルブス
「クラッシュ殿!合図を!」

クラッシュ
「ふむ…分かった。初め!」

 
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