『華國ノ史』
 セブンがドラゴニュートの店主ケイロンと話している時、

 通りではカトリ達の必死の捜索が行われていた。

カトリ「いたか?」

ミニッツ&セコンド「いない」

クロネ「どこに行っちゃったのよー」

ミニッツ&セコンド
「さっき呼び込み人形を殴った子供がいたって」


カトリ「セブンだろうな」

クロネ「ねえ、ここは?」

カトリ「ここは…確か」

ミニッツ&セコンド「見て!」

 
 苔に覆われていた看板の文字がもぞもぞ動いている。


クロネ
「文字まで苔で出来てるんだわ!」

カトリ
「文字が変わるぞ、なんだ?セ・ブ・ンのいる店」

 
 ガチャリ、と出てきたのは帽子を被ったセブンだった。


セブン「みんな見っけ!」

クロネ
「見っけじゃないわよ!心配したんだから」


カトリ
「思い出した!ここは名前の変わる店だ!」

 
 カトリが言うにはひび割れランプ通りで一番古く、一番変わった店だという。

 
 店名はコロコロ変わり、ほとんどの日は休業しているらしい。

 
 貴重な商品が多くあるが売ってくれるかどうかは店主次第だそうだ。

カトリ
「しかもここの店主はドラゴニュートだぞ」


クロネ
「何でそんな高貴な種族がこんないかがわしい所に?」

カトリ
「何でだろう?」

ミニッツ&セコンド
「セブン、なんだそれ?」

セブン
「物見帽子だって」

カトリ
「物見帽子だって?それすげー魔法アイテムじゃん!

 いくらしたんだよ?」


セブン
「レンタルだって、これで手に入れた物を持って返しに来いだってケイロンが」

カトリ
「ケイロン…ケイロン!」

クロネ
「さっきから驚きっぱなしね」

カトリ
「ドラゴニュートのケイロンっていえば賢者様だぞ!

 何でおまえ…げっほゴホッ、埃だらけだなお前!」

ミニッツ&セコンド
「落ち着けよ」




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