『華國ノ史』
 カトリとクロネは必死で名前の変わる店の扉を引いていた。

 
 しかしうんともすんとも言わず開かない。

ミニッツ&セコンド「閉店だって」

 文字の変わる看板はそう書いてあった。

カトリ「会いたかったのになー」

クロネ「いいなーセブンは」

セブン
「ケイロンはおじいちゃんみたいだった」

カトリ「失礼だろ」

クロネ「今日はもう帰ろう?」

カトリ
「そうだな、明日入学式なのに事件が多すぎた。

 疲れたよ」

 笑うカピパラ寮への帰り道、セブンは賢者のケイロンに貸してもらった帽子を乱暴に振り回していた。


カトリ
「やめろ!貴重な帽子なんだぞ!」

クロネ「借り物でしょ?」

セブン「そっか、間違えた」

カトリ
「それかっぶたら普段見えない物が見えるんだってよ」


ミニッツ&セコンド
「俺もそれは知ってた」

クロネ
「多分どこぞの冒険者の物だったんでしょうね」


カトリ
「隠し扉や、罠とか隠された魔法の印を見つけれるんだよ」


セブン「へ~」

 笑うカピパラ寮に着くとウルブスが出迎えた。


ウルブス
「お帰りなさい、荷物がいっぱい届来ましたよ。

 感心しませんね?

 ハングリー精神で生活して欲しかったんですが」

カトリ
「すいませんでしたドレイク隊長」

ウルブス
「ふむ、情報通ですな」

セブン
「ホントだ。見えないはずの料理人が見えるや」

ウルブス「え?それって」

クロネ「貸して貸して、

 …見えた!」

 料理人も驚いている様子であった。

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