『華國ノ史』
 家具を揃えたセブンとカトリの部屋は見違える程豪華になった。

 ウルブスが古い家具と新しい家具を入れ換えてくれたようだった。

 セブンは取り替えたフカフカの新しいソファーに座り部屋を眺めていた。

セブン
「凄いね!綺麗になった」

カトリ
「だろう?これでこそ勉学に励めるってもんだぜ」

「カランカラン」と食事の合図であるベルの音が聞こえる。

 階段を降りながらも二人は話していた。

カトリ
「まさか、不可視の料理人が女の人だったとはな」

セブン
「優しそうでよかったよ」

カトリ
「怖くて醜い幽霊だったら食欲無くすもんな」

 
食卓には美味しそうな料理が並んでいるし心なしか豪勢だ。

クロネ
「姿を見られて嬉しかったのね、きっと」

 食事の最中も会話は弾んだ。

 不思議な名前の変わる店や、ドラゴニュートの賢者の話しはウルブスも驚いた。


ウルブス
「長く生きている私でも一度だけですよあの店に入れたのは」


カトリ
「何ですんなり入ってんだよ」

ウルブス
「ケイロン様はコレクターですからね、

 商品が帰って来ると感じた人にだけ商品を貸し出すんですよ。

 そして貸した物が利子をつけて戻って来る。

 そうやって貴重なアイテムを集めているんだそうです」


ミニッツ&セコンド「へ~」

セブン
「ウルブスの銅像も格好よかったよね」

クロネ
「でも何で有名な英雄が使用人みないな事を?」

ウルブス
「明日は入学式、そして学園生活が始まりますね?」

カトリ「そうだけど」

ウルブス
「では話しましょうか、

 私がこれから貴方達に望む事を」



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