『華國ノ史』
 ~特別クラス~

 セブンは異例の逸材であった為、

 これもまたクラッシュが教育を担当する事にした。

 
 クラッシュは火と土の2つの特性を持っているので、

 まずはそれらをセブンに教える事になった。

 
 教えているうちにクラッシュはある事に気づく。

 
 どうやらセブンの魔法習得に対する適応力はムラがあるようだ。

 
 通常初歩的な魔法を習得し理解を高めて応用魔法を覚えるのだが、

 セブンは初歩は出来ないが応用魔法はあっさりとやってのけるといった特殊な生徒だった。


 理で学ぶのが本来の正しい魔法使いだが、どうも本能的に魔法を行使しているようである。


クラッシュ
「そういう種族はドラゴンとか精霊、あと妖精とかだな」

セブン
「僕は人じゃない?」

クラッシュ
「まあ人なんだろうけどな、後苦手な魔法もあるな?」

セブン
「水は駄目みたい風もちょっと」

クラッシュ
「セコンドとカトリの出会いが関係しているのか?

 じゃあ精霊と死霊も後でやってみるか」

セブン
「そんなにはじめからうまくいかないよ」

 クラッシュはハッと気がついた。

 特別な才能であるが故に過度の期待をしてしまった自分に気づいたようだ。

クラッシュ
「そうだな、俺が悪かった。

 まだ入学したてだもんな。

 これから学んでいくのに、俺が間違っていたよ」

セブン
「でもかっこいいやつから優先して覚えたいな~」

クラッシュ
「ああ、俺も調べておこう。

 過去に埋もれた魔法もお前なら習得できるかもしれんしな」

セブン
「それ出来たらかっこいい?」

クラッシュ
「ああ、誰も出来ない魔法を使えるんだぞ?

 かっこいいだろう?」

セブン
「とっておきだね!」

 クラッシュはいくら強い魔力を持ち、伝説の特性を持っているとしても、

 セブンはまだ子供であるのだという事を再度頭に認識させたのであった。

 
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