『華國ノ史』

老人と尻尾

 週に一度の学校の休日。

 その日の生徒達は本来持っている自分が良くでる日であった。


 クロネは新しく出来た女の子の友達と頻繁に街へと繰り出した。


クロネ
「セブンも一緒に行く?」

 セブンは一度ついていって後悔した事があるので首を横に振った。

 
 甘い物を食べるのは良いけど恋愛話って何が面白いんだろう?

 とセブンは思っていたのだ。

 
 ミニッツ&セコンドは釣りに行くと言う。

ミニッツ&セコンド
「一緒にいくか?」

 これもセブンは首を横に振る。

 ずっと何も無いまま釣竿を垂らし水面を見て1日が過ぎていったからである。

 
 魔法で魚を打った方が早いとも思っていた。


ウルブス
「一緒に買い物か散歩にでも行きますか?」

 ウルブスの話は面白いし、奥さんの入れるホットチョコは美味しい。

 けど、寂しそうな顔をされたがこれもパス。

カトリ
「よっしゃ!行くぞ!」

 セブンは賢者ケイロンから貸して貰った帽子を手に取り、

 走ってカトリと出掛けた。

 これが最近セブンのお気に入りである。

 カトリは地図を出し、何やら考え込んでいる。

カトリ
「今日は眠りドラゴン城裏だ!」

セブン
「何か見つかるかな?」

カトリ
「今日こそお宝を発見してやるぞ!

 セブン隊員、準備はどうだ!」

 
 セブンは物見帽を被り親指を立てて見せた。

 
 二人はこの普段見えないものを見えるようにしてくれる帽子を使い、

 眠りドラゴン城の隠された部屋を探すという探検ゴッコをしているのだった。


 今まで見つけた物は城外への隠し通路、

 水車小屋の地下室であった。

 遠回りして城外に出るのが面倒臭かった魔法使いが勝手に作った通路では何も発見出来ず。


 水車小屋の地下室は昔禁止にされた神を奉る祭壇であった。

 
 帽子を被ると隠された魔力印も見ることができた。

 
 そこに魔力を与えるか呪文を唱えると隠された扉が開く、

 一般的な隠し部屋の扉はみなそうであった。

 
 普通は隠し部屋を作った本人にしか分からないのだが、

 隠した本人が仕掛けた目眩ましやカモフラージュの魔法印をこの帽子は見つける事が出来たのだ。


 



 
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