『華國ノ史』
どんどん成長していくセブンは休日にひび割れランプ通りへ向かっていた。
魔法使い達の通うこの通りで一番古く、一番小さな名前の変わる店の扉を開いた。
セブンが入って行くのを見て他の魔法使いがドアノブを捻るがびくともしない。
セブンは骨董品で埋め尽くされた壁で出来た通路を下に向かって下りていく。
また何かを書いているドラゴニュートのケイロンがセブンを見た。
ケイロン
「見ない間に随分大きくなったな、
折れる事を知らない剣で何か手に入れたかな?」
セブンは袋を机の上に置いた。
ケイロンが袋の口の紐をほどき中の物を取り出すとドラゴンの鱗が入っていた。
ケイロン
「ドラゴニュートである私に同胞の鱗を出すとはな?」
セブン
「ちゃんと同意の上で与えられた物です。
詳しくは話せませんが、友からの贈り物なんです」
ケイロン
「ふむ、では私がこれを利子として取る事はできんな。
それにワシは既に持っておるしの」
セブンは剣を机に立て掛けた。
セブン
「名残惜しいですけど、この剣はお返しします。
切れ味は普通ですけど、刃こぼれ一つしてません。
凄い剣ですね」
ケイロン
「特殊な鉱石に秘密の配合。
ドラゴニュートの頑固物が叩き続けて鍛えたからの、
作った奴の性格が良く出とるわ」
セブン
「そうだったんですか、調べたんですが本にも乗ってなくて、
ではまた何か助けて欲しい事が出来たら来ます。
ケイロン様、お元気で」
ケイロン
「礼儀も身に付けたか、人の成長は早いの」
セブンは頭を下げ出口に向かおうとした時、
立て掛けていた剣が重力に逆らって反対方向に倒れた。
セブンが振り向くとケイロンがニヤリと笑った。
ケイロン
「お前が操ったようには見えんかった。
こんな事もあるもんだ。
全く頑固者の剣だよ。
連れていってやれ、お前にやろう」
礼を言い、颯爽と去っていくセブンをケイロンは見ていた。
初めて見た頃より背中は大きく見える。
ケイロン
「少年から青年へとなったか?
だがまだ若い。
若いのは悪くはないが、良くも無い。
しかし惹き付けられる程の青さがある」
ケイロンは何やら考えながら自慢のパイプに火を着けまたペンを執るのであった。
魔法使い達の通うこの通りで一番古く、一番小さな名前の変わる店の扉を開いた。
セブンが入って行くのを見て他の魔法使いがドアノブを捻るがびくともしない。
セブンは骨董品で埋め尽くされた壁で出来た通路を下に向かって下りていく。
また何かを書いているドラゴニュートのケイロンがセブンを見た。
ケイロン
「見ない間に随分大きくなったな、
折れる事を知らない剣で何か手に入れたかな?」
セブンは袋を机の上に置いた。
ケイロンが袋の口の紐をほどき中の物を取り出すとドラゴンの鱗が入っていた。
ケイロン
「ドラゴニュートである私に同胞の鱗を出すとはな?」
セブン
「ちゃんと同意の上で与えられた物です。
詳しくは話せませんが、友からの贈り物なんです」
ケイロン
「ふむ、では私がこれを利子として取る事はできんな。
それにワシは既に持っておるしの」
セブンは剣を机に立て掛けた。
セブン
「名残惜しいですけど、この剣はお返しします。
切れ味は普通ですけど、刃こぼれ一つしてません。
凄い剣ですね」
ケイロン
「特殊な鉱石に秘密の配合。
ドラゴニュートの頑固物が叩き続けて鍛えたからの、
作った奴の性格が良く出とるわ」
セブン
「そうだったんですか、調べたんですが本にも乗ってなくて、
ではまた何か助けて欲しい事が出来たら来ます。
ケイロン様、お元気で」
ケイロン
「礼儀も身に付けたか、人の成長は早いの」
セブンは頭を下げ出口に向かおうとした時、
立て掛けていた剣が重力に逆らって反対方向に倒れた。
セブンが振り向くとケイロンがニヤリと笑った。
ケイロン
「お前が操ったようには見えんかった。
こんな事もあるもんだ。
全く頑固者の剣だよ。
連れていってやれ、お前にやろう」
礼を言い、颯爽と去っていくセブンをケイロンは見ていた。
初めて見た頃より背中は大きく見える。
ケイロン
「少年から青年へとなったか?
だがまだ若い。
若いのは悪くはないが、良くも無い。
しかし惹き付けられる程の青さがある」
ケイロンは何やら考えながら自慢のパイプに火を着けまたペンを執るのであった。