『華國ノ史』
ボーワイルドが用意させたのは古くも禍々しいランタンであった。
煌皇国八大秘宝の一つ
「死神のランタン」
煌皇国がまだ大陸南を統一している最中に発見された物であった。
それは煌皇国の皇帝を暗殺するべく、ある小国の王が城内全ての者の命と引き換えに死神と結んだ契約の証だった。
ランタンにはこう記されている。
「火を一つ灯せ
代わりに火を一つ消してやろう」
そのランタンに火を灯せば死神が現れ、どんな命をも一つ奪ってゆくのだと伝わっている。
しかしこのランタンが煌皇の皇帝に使われる事は無かった。
城内全ての者の命と引き換えにという条件をのんでしまった愚かな小国の王は自分がその中に含まれるとは考えなかったからである。
王の亡骸がそれを抱いている所を煌皇兵が発見し、
城下で捉えられた魔法使いが語ったとされる遺物である。
以後、それは使われる事なく宝物庫で厳重に保管されていが、
ボーワイルドが今回の遠征で死神のランタンの使用の申請を行ったのだ。
皇帝はそれを許可した。
「南の海峡を渡った偉業と
その功績の前払いにしておく」
ボーワイルドは古きにこだわりを見せぬ賢明な判断だとこの時皇帝を讃えている。
華国の守護龍であったフォロフォロは城壁を取り巻く煌皇軍の一角を攻撃していた。
その力は凄まじく、矢も魔法も受け付けなかった。
口の前方に現れた魔方陣からは巨大な火柱が地上目掛けいくつも放たれ、炸裂し、人を枯れ葉の如く焼き崩していった。
ボーワイルドの元には次々と報告がその届いた。
煌皇兵
「申し上げます!
我が軍東部の被害甚大!
南方より敵の援軍らしき一団も接近中との事です。
到着までおよそ4日」
煌皇兵
「魔法都市八割方破壊完了との事です!」
ボーワイルド
「潮時だな。
仕上げといこうか
これがただの伝説でなければいいが」
そう言うとボーワイルドは恐れもせずに死神のランタンに火を灯した。
煌皇国八大秘宝の一つ
「死神のランタン」
煌皇国がまだ大陸南を統一している最中に発見された物であった。
それは煌皇国の皇帝を暗殺するべく、ある小国の王が城内全ての者の命と引き換えに死神と結んだ契約の証だった。
ランタンにはこう記されている。
「火を一つ灯せ
代わりに火を一つ消してやろう」
そのランタンに火を灯せば死神が現れ、どんな命をも一つ奪ってゆくのだと伝わっている。
しかしこのランタンが煌皇の皇帝に使われる事は無かった。
城内全ての者の命と引き換えにという条件をのんでしまった愚かな小国の王は自分がその中に含まれるとは考えなかったからである。
王の亡骸がそれを抱いている所を煌皇兵が発見し、
城下で捉えられた魔法使いが語ったとされる遺物である。
以後、それは使われる事なく宝物庫で厳重に保管されていが、
ボーワイルドが今回の遠征で死神のランタンの使用の申請を行ったのだ。
皇帝はそれを許可した。
「南の海峡を渡った偉業と
その功績の前払いにしておく」
ボーワイルドは古きにこだわりを見せぬ賢明な判断だとこの時皇帝を讃えている。
華国の守護龍であったフォロフォロは城壁を取り巻く煌皇軍の一角を攻撃していた。
その力は凄まじく、矢も魔法も受け付けなかった。
口の前方に現れた魔方陣からは巨大な火柱が地上目掛けいくつも放たれ、炸裂し、人を枯れ葉の如く焼き崩していった。
ボーワイルドの元には次々と報告がその届いた。
煌皇兵
「申し上げます!
我が軍東部の被害甚大!
南方より敵の援軍らしき一団も接近中との事です。
到着までおよそ4日」
煌皇兵
「魔法都市八割方破壊完了との事です!」
ボーワイルド
「潮時だな。
仕上げといこうか
これがただの伝説でなければいいが」
そう言うとボーワイルドは恐れもせずに死神のランタンに火を灯した。