転換しましょ
女から男へ

詳細は気にしないで

薄茶色のパーマにクリクリとした瞳、すべすべの肌、整えられた眉毛、スラリと伸びた足に触ったら壊れてしまいそうな腕、白い肌。



「完璧…」


「おにいちゃーん、そろそろ準備を始めなさい。学校に挨拶しに行くわよー!」


「はーい」



少し肌寒い季節に転校が決まった俺こと森宮 陽向はまだノリが取れていないブレザーをベストの上に羽織る。



新しく買ってもらったスクバに必要なものが入っていることを確認し、ブレザーのポケットにスマホをしまう。



****



母親は先に帰り、新しい担任と教室に向かう。



「めんどくせー」



教師がそんなこと言っていいのか…ってああ、前もそうだったな。


転校生の前でもダルそうに歩くんだな。



「着いた。このまま入るぞ、めんどーだから」


「はい」



まだ教室の中はザワザワとザワめきが出ていて変わってないなと思わず笑みが溢れる。


俺と先生が教室の前に立つと教室内は静かになり、興味深々と言ったようにクラスの視線が注がれる。

普段緊張する俺でもこっちから見たら知っているわけだからそれほど緊張はしていない。



「あー…みんな知っているだろうが、転校生だ。森宮、名前」


「森宮 陽向です。よかったら仲良くしてくださいね」



人の良い笑みを浮かべるとクラス内から拍手をもらう。


スマイル0円ってのは嘘でしょ。



ここからが俺の反撃だ、覚えておけ。
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