flowergirls library Ⅱ
「か、看守さん?」
「スイマセン。旅人さん。今、とある少女が興奮状態になってしまいまして・・・・すぐ、戻りますので、少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか?」
はい、と言おうと口を開けたが、
ついつい
と服をひっぱられたことにより止まってしまった。
暗闇斗に小声で聞いた。
「どうしたの?暗闇斗」
「ついて行って」
「どうして?」
「声がする」
「声?」
暗闇斗が頷く。
「『永井優香』の声が」
「・・・・わかった」
僕は看守さんに向き直った。
「僕らも連れて行って下さい」
看守さんは眉をしかめた。
「何故ですか?」
悲しげに、悲しげに言うんだ!僕!
「もしかしたら、僕らが探している人かも知れないんです。実は他にも一緒に旅をしていた中に少女が二人居たのですが、とある事情により
離れ離れになってしまったんです。その片方は精神状態が不安定で少しのストレスでも大暴れする事があって・・・・もしかしたら、その子かも知れないんです!お願いします!合わせて下さい!」
大演説のご静聴、有り難う御座います。
看守さんは目を潤ませていた。
「・・・・わかりました。どうぞ、此方へ」