flowergirls library Ⅱ
杉谷由紀と蒼達
今、目の前に『杉谷由紀』がいる。
何もない草原のど真ん中に。
もしかしたら、一生会えなかったであろう。
辺には何もない。
ただただ、草原が広がっている。
『杉谷由紀』は辛そうに倒れている。
紫苑が教えてくれなければきっと出会えなかった。
「おいっ!蒼!何ボサッとしてんだよ!早く助けろよ!バーカ!」
おっとそうだった。
「大丈夫ですか!?」
急いで駆け寄る。
彼女はかろうじて息をしていた。
「・・・・を・・・・たを・・・・」
微かに声が聞こえた。
多分「歌を」と言っているのだろう。
「由紀ッ!」
シグナが勢い良く降りてきた。