flowergirls library Ⅱ
「ありがとう・・・・シグナ」
「いいってことよ!てか、なんで?歌を歌わなかったの?」
『杉谷由紀』はうつむいた。
「・・・・メアリー・キセラ。知ってる?」
メアリー・キセラ?
「あぁ、かの有名な狂女。おかしな言動をし、おかしな魔法陣を書いたりする、自称悪魔の女・・・・その人がなんだ?」
闇斗が言い終わると彼女は顔をあげた。
「・・・・私、この世界ではそのメアリー・キセラの生まれ変わりなんだって。だから、私の名前はメアリー・キセラ・・・・」
悲しそうに言った。
「私、国の人に殴られたんだ。その時、歌を歌って傷を治したら・・・・メアリー・キセラの生まれ変わりだって皆にまた殴られたの。あの国では、魔法が全面的に禁止してて、魔法使いは殺さなきゃいけないからって魔法使い狩りが行われている。私はなんとかここまで逃げてきたんだけど・・・・その途中で魔法封じの矢を刺されちゃって、」
「それで?」
「なんとか矢を抜いたんだけど・・・・声が出なくて、歌えなかったんだ」
照れくさそうに頭をかいた。