好き嫌い。
その2
「今さっき、誰と話してたの?」
ひと騒ぎした後、シャワーを浴びてきた実里は先ほどの疑問を康太に投げかけた。
「あー、ミノリの携帯が鳴ってたからさ。」
「出たの?」
問うと、それがどうした?といった顔をする。
「アキってミノリの友達だったから出たよ。今日の予定のことだった。俺も一緒に行くよ。」
冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターを飲むと、そう言ってミノリの髪をクシャクシャっとする。
「ミノリって髪がめちゃくちゃ綺麗だよな。」
褒めながらぐしゃぐしゃにするんですか…。
「中学生の時さ、ミノリの後ろ姿見るの好きだった。」
「後ろ姿?なんで?なんか顔を見たくなかったとか?」
不思議に思った実里が問いかけると、ククッと低く笑った康太はミノリの体を抱き寄せた。
「ミノリが俺から逃げてたんだろ。
俺をみるとどっかに行ってしまう。だから後ろ姿だったんだ。」
見上げると、康太は笑顔だ。
そうだ。
あたし、あの頃ひたすら逃げてたんだっけ。
康太を見るのが辛くてひたすら背中を向けてた。
…その背中を見るのが好きだったなんて。
「もぅ…負けるなぁ。好きよ、康太。」
めいいっぱい背伸びしてもなかなか届かない康太にキスを贈る。
「年上でもいいの?」
「ミノリは年上に見えない。」
…小さいからかっ、と言いたかったけれど。
本当に小さいから、反論しない。
「幸せになろうな、ミノリ。」
お姫様抱っこされて囁かれて。
もう、嬉しくて死んじゃいそう。
ひと騒ぎした後、シャワーを浴びてきた実里は先ほどの疑問を康太に投げかけた。
「あー、ミノリの携帯が鳴ってたからさ。」
「出たの?」
問うと、それがどうした?といった顔をする。
「アキってミノリの友達だったから出たよ。今日の予定のことだった。俺も一緒に行くよ。」
冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターを飲むと、そう言ってミノリの髪をクシャクシャっとする。
「ミノリって髪がめちゃくちゃ綺麗だよな。」
褒めながらぐしゃぐしゃにするんですか…。
「中学生の時さ、ミノリの後ろ姿見るの好きだった。」
「後ろ姿?なんで?なんか顔を見たくなかったとか?」
不思議に思った実里が問いかけると、ククッと低く笑った康太はミノリの体を抱き寄せた。
「ミノリが俺から逃げてたんだろ。
俺をみるとどっかに行ってしまう。だから後ろ姿だったんだ。」
見上げると、康太は笑顔だ。
そうだ。
あたし、あの頃ひたすら逃げてたんだっけ。
康太を見るのが辛くてひたすら背中を向けてた。
…その背中を見るのが好きだったなんて。
「もぅ…負けるなぁ。好きよ、康太。」
めいいっぱい背伸びしてもなかなか届かない康太にキスを贈る。
「年上でもいいの?」
「ミノリは年上に見えない。」
…小さいからかっ、と言いたかったけれど。
本当に小さいから、反論しない。
「幸せになろうな、ミノリ。」
お姫様抱っこされて囁かれて。
もう、嬉しくて死んじゃいそう。