好き嫌い。

「え？奥井くんと連絡取れてないの？」


しょんぼりとまではいかなくても、やはり康太に会えないのは寂しい。

つい、アキに愚痴ってしまったのだ。


「よくあるの。撮影とか編集？みたいなのしてるとわかんなくなるんだって。」

「マンションに居たの？」

「ううん。留守だった。そのうち返事くるんじゃないかなぁ。」


そんな呑気な事を話していた。

胸騒ぎなんてなかった。


まさか。


まさか、康太に限って。


落とし穴に自ら足を踏み入れてしまった。