伝わらない、伝えられない
その答えはside悠斗
「私もね、悠斗が大好きだよ」
「…へ?」
「何、その間の抜けた言葉は」
「いや、だって…」
思いがけない返事。
今日はエイプリルフールじゃないかとか、これはドッキリかと考えてしまう。
それほどに葵に好かれているとは感じられなかったから…
じゃあ俺たちって両想い、なのか?
夢にまでみた展開。
だけど何かしっくり来なくて…
「本気で、言ってるんだよな?」
再度確認する俺に葵は苦笑いで…
「本気だよ?」
平然と話す葵にまたしても違和感。
両想いってことは…付き合うんだよな?恋人になるんだよな?
告白をしたのは自分なのに、頭の中がハテナで埋まる。
上手くいきすぎて状況が掴めないのか。
告白も初めて、その告白が成功するのももちろん初めて。
だから、この気持ちが周りと同じなのかっていうのが…俺には分からない。