伝わらない、伝えられない
その答えはside悠斗


「私もね、悠斗が大好きだよ」


「…へ?」


「何、その間の抜けた言葉は」


「いや、だって…」



思いがけない返事。


今日はエイプリルフールじゃないかとか、これはドッキリかと考えてしまう。


それほどに葵に好かれているとは感じられなかったから…


じゃあ俺たちって両想い、なのか?


夢にまでみた展開。


だけど何かしっくり来なくて…



「本気で、言ってるんだよな?」



再度確認する俺に葵は苦笑いで…



「本気だよ?」



平然と話す葵にまたしても違和感。


両想いってことは…付き合うんだよな?恋人になるんだよな?


告白をしたのは自分なのに、頭の中がハテナで埋まる。


上手くいきすぎて状況が掴めないのか。


告白も初めて、その告白が成功するのももちろん初めて。


だから、この気持ちが周りと同じなのかっていうのが…俺には分からない。


< 109 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop