伝わらない、伝えられない
通じた想いside悠斗
「好き、です…悠斗のことが」
ちとせの口から出た『好き』って言葉。
顔を赤らめているちとせに触れたくて仕方がなくなって、
赴くままに思いっきり抱きしめた。
「本当に…俺達本当に両想いなんだよな?」
「う、うん。本当」
俺の問いかけにちとせは何回も頷いてくれる。
途端に気持ちがウズウズと込み上げてきた。
「よっしゃー!マジで嬉しいわ」
好きと言われただけでこんなにも喜んでしまうとは…
どうやら俺の考えている以上にちとせに夢中なようだ。
「あたしも…スゴイ嬉しい」
微笑むちとせに思わず見とれる。
惚れた弱味なのか、もう可愛くてしょうがなくて…
「キス、しても良いか…?」
口をついて出た言葉。
さっきは無理矢理しちまったけど聞いておきたかったから…
緊張しながら返事を待った。
「…うん」
無事に了承をもらえたので顔を近づけた。
柔らかい感触が唇に伝わる。
普通に触れるだけのものにするつもりだった。
でも、俺の理性は意図も簡単に切れてしまったのだった。
頭を固定してさらに深めていく…