伝わらない、伝えられない
そして、これからsideちとせ
「ちとせ…」
ちょっと掠れた低い声…愛しみを感じられる、そんな目の色。
見つめ合っているのは、あたしの大好きな人。
こんなにも近くに居るなんて…
前まで感じていたあたしと悠斗の距離感。
今はもう、それは感じられない。
悠斗の動きに合わせてあたしも唇を近付ける。
求め合うように何度も何度も…啄むような口づけを二人でした。
まさか、想いが通じあったその日にこんなにもキスをしてしまうなんて…
あまりの急展開に付いていくのがやっとだ。
互いの唇を離す。それでもまだ近いあたし達の間。
目の前にいる悠斗の瞳にはあたししか写っていなくて…
そこに写るあたしの顔は、見たこともない表情を浮かべていた。
それを見ていると恥ずかしいような、嬉しいような…
「好きっ、悠斗が大好き!」
自分の顔から目を逸らして、悠斗が行動してくれたようにあたしも…と悠斗の頬へとキスをした。
すると、見るみるうちに悠斗の顔は赤みを増していく。
その表情も、してくれた告白も、たくさんの初めてを知れて心が浮き足立った。
もっともっと好きになっていく。