伝わらない、伝えられない
でも良いんだよね?
もう我慢しなくていいんだ。
苦しくて切ない片想いは、最高の形で終わりを告げることが出来たんだから。
これからは、ちゃんと自分の想いを伝えられるんだ。
普段通りのままでいたくても、この頬の緩みは抑えられそうもない。
「俺も、好きだぜ。今から…それを思い知らせてやるよ」
「…え?」
先ほどまでの顔付きはどこへやら。
あたしを見据えるその目には、どこか男らしさを感じさせられる。
あぁ、本当に今日ははじめて尽くしの一日になりそうだ。
期待と不安があたしの中で入り乱れる。
一体、今からどうなってしまうのか。
あたし達の『恋愛』は、まだ始まったばかり…