伝わらない、伝えられない
「悠斗、どうしたの?」
声をかけられた方を向けば、
普段のおちゃらけた様子とは違う、心配そうな顔付きのちとせが居た。
コイツは瑞希ちとせ(ミズキ チトセ)。
中学からの馴染みの一人だ。
「なにか、悩み事…?」
俺の顔をまじまじと見て出た一言にピクリと反応し、目尻が上がる。
なんで分かっちまうかな?
ため息なんて普段からしょっちゅうしてるし。
普段と何ら変わらないつもりだったんだが…