伝わらない、伝えられない
言葉で言うのは簡単だけど。
じゃあ、どうすれば諦められるの?
悠斗が好きなのは、葵…
それを分かっても、気持ちが変わらないんだもん。
忘れたい、忘れたくない…
どっちの考えもあたし。
その狭間で揺れて、苦しくて…
なのに、抜け出すことも出来ない。
そんな女々しい自分にイライラしてしまう。
「部活終わったとこ?」
静かな雰囲気に気まずくなって、悠斗に話しかけた。
見上げた悠斗の顔付きが少し険しくてドキッとする。
もしかして、怒ってる…とか?
でも話はじめた悠斗は普段と同じで…
まぁそもそも、怒らせるようなことはしてないか。
そう自分一人で納得すると、悠斗の次の言葉を聞くことにした。