伝わらない、伝えられない
休日の偶然sideちとせ
土曜の夕方、
バイトも終わって久しぶりにショッピングでもしようと、あたしはのんびり駅前へ向かっていた。
あの昼休み以降、先輩とあたしの噂は瞬く間に学校中を駆け巡った。
そのせいで今週は、毎日のように質問される羽目になってしまって…
同学年だけならまだしも上級生の先輩達までもが教室へやって来る始末!
だから今日は誰にも干渉される必要のない待ちに待った休日だった訳で。
散々周りに否定しても全く信用されずさすがに疲れた。
まぁ拓真先輩の言う通り、弥生さんが誤解してないのが何よりだけど。
むしろこの噂話に対して面白そうにクスクスと笑っていた。
これが大人の余裕って奴なのだろうか?
そんな見るからにラブラブの拓真先輩達に対して、こっちは失恋したばかり。
だから、誰にどう思われようが構わないと少し開き直っていたりした。
ブラブラとショッピングを楽しみながら可愛い服に目を奪われる。
じっくりと品定めしながら商品をふたつ購入。
そのお店を出た頃には空は暗くなり始めていた。
予定も特にないし家に帰るか…
そう思い帰り道にあるコンビニに立ち寄った。