伝わらない、伝えられない
休日の偶然side悠斗
今日は休日ということで授業もなく、午前だけの部活だった。
そんで部活も終わったし帰ろうとしていたんだが…
中学の後輩から連絡が来て、学校見て回りたいとか言い出しやがったから案内をさせられることになった。
今日高校を見に来た三人はもううちの学校から合格を貰っている奴等だ。
別に案内なんかしなくても直に入学するっていうのに…
そう思いながらも暇になる所だったから渋々了承した。
普通教室、特別教室、体育館やグラウンドなど一通り案内を終わらせると、今度はあろうことか飯を奢れとせがまれた。
あまりにもしつこく言ってくるもんだからそれもOKして店へ行くことに…
その途中でゲーセンに寄ったりしていると外はもう暗がりになっていた。
「有澤先輩ってどの部に入ってるんでしたっけ?」
「俺? 運動補助部」
「ふーん、なんか変わった名前ですねぇ?」
「バカ!そこは並みの運動神経じゃ入れねーんだぞ?」
「マジで?スゲー!」
駅前への道のりを後輩達と喋りながら歩く。
男が4人も固まって歩いていたら邪魔になると思って、車通りも人気も少ない道を選んだ。