伝わらない、伝えられない
「そんな事ない! 悠斗の想いは伝わるはずだよ。…だから、ファイトだよ!」
どこにそんな根拠があるのかは分からない。
だけど、ちとせの真剣な顔が妙に説得力があった。
それは多分、コイツの言うことに嘘偽りがないからだ。
途端に沈んでいた気持ちが軽くなるのを感じる。
と同時に、ついさっきまで話したことに後悔していた自分が嫌になった。
「サンキューな。ち、とせ…?」
「ん?」
言葉が詰まった俺をキョトンとした顔で見つめるちとせ。