伝わらない、伝えられない
うだうだとしていたら、ついに一週間が経ってしまった。
明と付き合うかどうか。
それはちゃんと自分の中で答えが決まっていた。
だって、悠斗を好きだって想いを残したまま明と付き合うなんて…明に対して失礼すぎるから。
大切な友達だからこそ、余計に…
どうすればあまり傷付けずに 断れるんだろう。
そればかりをずっと考え続けていて…
どんなに考えたとしても、結局傷付けてしまう事には代わりないんだろうけど。
長いようで短かった一週間。
あたしとしては大事な期間だったけど、明にはどんな時間だったのかな?
でも、もういい加減待たせる事は出来ないよね。
緊張で画面を触る手が震える。
実をいうと10分位は同じ画面のままだ。
通話履歴にある明の文字。
電話のマークを押してしまえば話が出来るのに、中々押せずにいた。
なよなよするな。押しちゃえー!
目をぎゅっと瞑ってスマホを耳に押し当てる。
数回のコール音が聞こえると、それは突然途切れた。