伝わらない、伝えられない
「謝んなって、答えは分かってたんだし?
でもまぁ、何て言うか…少しでも俺のこと考えてほしかったんだよね」
スッキリした様な明の顔。
明は強いね?
あたしが出来ない事をやってのけちゃう。
傷付くのが怖くて逃げてばっかのあたしとは、全然違うよ…
あたしも、こんな風になれたらーー
「明…」
「ん?」
「好きになってくれて、ありがとう!」
ただただそれを伝えたかった。
こんな素敵な人にあたしなんかが好きでいてもらえて、本当に嬉しかったから…
呆気にとられた様な明の顔。
でもそれは、柔らかな表情へと変わっていく…
「おぅ!」
二人して互いに笑いあう。
明の笑顔はとても眩しくてキラキラしていて。
まるで太陽のようにぽかぽかと、あたしの心を暖かくしてくれた。