伝わらない、伝えられない
その週の休日、俺は明と他の男友達とで遊んでいた。
葵はちとせが久しぶりに休日のバイトがないからと、二人で買い物へ行ってるみたいだ。
特に行きたい所もなかった俺達は、当たり障りのないゲーセンへ。
一通り回ってみたが、やりたい物もあんまりなくて、飲み物を買って近くの椅子に腰かけた。
しばらくすると明もやって来て、同じテーブルの座席に座る。
「俺さ、この前ちとせに告白したんだ」
全然関係のない話の途中に言われたから、返事もできずに唖然とする。
今の俺の顔はさぞ間抜けな事だろう。
「へ、へぇ…ち、ちとせは、何て?」
しばらくの間をとって、やっと絞り出せた言葉。
もしかして恋人になったという報告か?
緊張からか鼓動が段々と早くなっていく。