◇◆近距離恋愛◆◇


あの二人とは逆そうした俺達



「ちょっと隼人!速いって!てかこの手!」



必死に結ばれた手を目で訴える美海



何だよ…
そんなに嫌なのか?



「何?離したいの?」



何故か怒りぎみの俺
だって美海が悪い。多分


美海は赤い顔をしたに向けながら口をとんがらせる



「別に。そういう訳じゃ…。」



いじけたように呟くと強く握り返してくる小さな手



やっべ…
おまえ、かわいい



「あんずあめ食べるか!」



美海の頭をクシャッと撫でる



「うん!」



美海は俯いたまま笑うと俺を見上げる



何だか今日少しだけでも近づける気がする



根拠もないただの予感だけど


なんだかそう思ったんだ


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