◇◆近距離恋愛◆◇
誰もいない教室で窓の外を見つめた



隼人が校門を出たことを確認してあたしも鞄を手に持つ



その時



「美ー海ちゃんッ!」



後ろの方から聞こえてくる声



あたしの嫌いな甘い声



「柴、崎さん…」



振り替えると笑顔を浮かべた柴崎さんの姿



その笑顔は何故かあたしを強張らせた



だってあまりにも綺麗な笑顔だったから



柴崎さんはゆっくりとあたしに近づきながら口を開く



「…隼人くんて、かっこいいよね?」



何を言い出すかと思ったらそんなことかよ



「うん。顔はね」



きっと今あたしの顔すっごいひきつってる


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