◇◆近距離恋愛◆◇
「美海ちゃんはいいよね。隼人くんと部活も一緒だし、すごく仲いいし。」
背を向けたままゆっくり歩きながら話す柴崎さん
あたしは柴崎さんを目で追いながら唇を噛み締めた
「でもさ…美海ちゃんは隼人くんの…。
ただの幼馴染みでしょ?
今さらそれ以上にもそれ以下にもなんないよね」
そんな言葉と一緒に振り返り、笑顔を見せる
その笑顔がとても怖くて、あたしは手に力を入れる
体の熱は全て目頭へ集中して涙が溢れだした
一粒、二粒、また一粒
次々と溢れだす涙は止まることはなくて
泣くな!と自分に言い聞かせ、手にギュッと力を入れても
なにも変わらない