◇◆近距離恋愛◆◇
鞄を抱えて教室を飛び出した
もう何も聞きたくなかった…
ただただひたすら走って走って…ー
階段をかけおりて、靴に乱暴に足を入れた
泣かないで
泣かないで
そう言い聞かせながら校門を出た
その時
「美海!」
後ろから聞こえてくる声
大好きな声
でも今は聞くと苦しい声
あたしは俯き、そっと足を止めた
振り返ることはできない
こんな涙見せたくないの
「やっぱ待っててやった!帰ろうぜ?」
隼人はあたしの手をそっと握って歩こうとする
そんなときこだまする柴崎さんの声