◇◆近距離恋愛◆◇

ーバレンタイン当日ー


可愛くラッピングされたケーキを紙袋に閉まって隠すように鞄の中に入れた


あれから相変わらず隼人とは全く話していない



どんどん柴崎さんと仲良くなる姿を見届けながらあたしは何日間かチーズケーキの特訓をしていた



まさか隼人はあたしが作ったなんて思ってもいないだろう


だからなかなか渡すタイミングもわからず
教室でずっと隼人の様子を見ていた


「美〜海!ちゃんと隼人に作ってきたの?」


心配そうにあたしを見つめる結衣ちゃんにコクンと一回頷いた



そうすると結衣ちゃんはあたしの頭をポンと撫でる


「偉い偉い!あとはちゃんと渡すだけだよ?応援してるから頑張りな?」



結衣ちゃんの言葉にもう一度頷き、ニッコリ笑って見せた


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