◇◆近距離恋愛◆◇

「で、美海の話って?」


今さら、言えない
そう思った


もっと早く素直になれてれば


もっと隼人との時間大切にいとけばよかった


そんな風に後悔したってもうあたしの隣にはいてくれないんだね



「はははっ…なんだっけな…。度忘れしちゃった!まあ、大したことじゃないし気にしないで


じゃ、美海、帰るから」



最後まで隼人の顔は見えなかった


早足で隼人の隣を通りすぎ、教室から飛び出した



熱い雫が頬を流れ、隼人への想いをもっと熱くした



教室から離れた曲がり角で立ち止まると一気に力が抜けて崩れ落ちる膝



もう過去には戻れないー…


このときあたしは
自分が一番不幸だと思っていた



隼人の気持ちも
何もわかっていなかった


それでも
泣き崩れる以外
あたしにできることはあったのだろうか


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