◇◆近距離恋愛◆◇
☆戻せない過去
隼人サイド
あのバレンタインから一週間がたつ
俺とひかるは普通に付き合っていて
それでも俺の頭の中は美海しかいなかった
「隼人〜!」
下から聞こえてくる母親の声に気づかないふり
そんなことしても無駄で母親はおかまいなしに俺の部屋に入ってきた
「シカトなんていい度胸ね!そんなボーッとしてないでこれ、美海ちゃんちに持ってって」
母親の片手にはミカンの入った袋
「んなのいらねーだろ」
そんな理由を並べて目を背けると
バシンッとケツを叩かれる
「ごちゃごちゃ言ってないで行ってきなさいな」
自分で行けよ
そう呟いて仕方なく袋を片手に家を出た