◇◆近距離恋愛◆◇
いつもの調子で俺をばかにするように笑う美海
そんなさりげない言葉に俺の期待は崩れ去った
期待していたなんて
自分勝手かもしれない
でも、もし
美海が俺のことを
そんな希望を探してた自分が恥ずかしい
「ハハハッ!なんか喋りなさいよ!
そうだ、柴崎さんとはどうなの?」
でも、美海?
おまえは笑ってるけど
笑ってないよ
「まあ、順調かな」
「…そっか!よかったよかった。末永く…お幸せに」
笑ってないよおまえ
笑うならもっとうまく笑えよな
「ありがと。でも美海?俺はお前の見方だからな?何か辛いことあったら頼れよ?
…幼馴染みなんだしよ」
最後に付け加えた
いらない言葉に美海はまた笑う
「へへっ。大丈夫だよ、美海強いし。隼人は柴崎さんだけ見てればいいの!
それに幼馴染みなんて少し出会ったのが早かっただけじゃない?
この先美海の近くには隼人はいてくれるのかな?
美海はね、隼人はいないと思うよ。」
そんな唇を噛み締めながら、目になみだを溜めながら言ったって説得力ねえよ