◇◆近距離恋愛◆◇
でも、
今さら
俺がずっと側に居てやるなんて言えなかった
美海のいない未来なんて考えたことなかった
正直、美海と付き合っている未来も考えたことなかった
そう、近いようで遠いこの距離を
乗り越える勇気すら
俺なんかになかったんだ
「そうだな…」
俺はそれだけ言い残して美海の部屋から出た
もうこの先
この部屋には来ることのないような気がした
俺の背中を
美海がどんな表情で見ていたかなんて知りもしなかった