◇◆近距離恋愛◆◇
「何があったか知らないけどさ、気持ち伝えなきゃ!美海はずっとずっとそうやって我慢できるの?
そうやって諦められるの?」



結衣ちゃんの言葉に熱くなる目頭



「でも今さら好きなんて言えないよ…

もう柴崎さんと付き合ってるんだから」



怖いよ
これ以上近づいて隼人に嫌われるのが怖いよ



「そうやって美海はいつも逃げる!逃げてばっかじゃ進まないよ!

柴崎さんなんて関係ない。美海の気持ちの問題でしょ?美海は柴崎さんを理由にして逃げてるだけだよ

まだ隼人と美海は何も始まってないじゃない」


重くのしかかるいくつもの言葉


それは全てが結衣ちゃんの優しさであり


全てが事実である


そんなことわかってるのに


「ごめん…よくわかんないや…。ちょっとゆっくり考えたい」


ほら、またあたしは逃げる


こうやっていつも
現実から逃げ続けてきたんだ


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