◇◆近距離恋愛◆◇
「でね、今日ねゆかがねおもしろかったんだよー…」
帰り道、さっきのことなんてなかったかのように楽しく話すひかる
俺は上の空で
握られた手には力が入らない
もしも隣が美海だったら強く握り返すのに
もっと帰り道が早く感じるのに
そんなことを考えながら歩いていた
その時
「ねえ、隼人くん?」
「あぁ!な、なに?」
我にかえり、ひかるの方に目を向けるとひかるはにっこり笑う
「ひかる、隼人くんち行きたい!ね、いいでしょ?」
わざとらしくベタベタさまってくる行動
何故かめんどくさくなり、適当に返事をしてしまった
「あぁ、いいよ」
「やった!楽しみ楽しみ♪」
ひかるはバカみたいに喜び、俺の腕を強く引っ張った