【短編】空っぽの心
「私なんか居なくても、みんな変わらない。こんないらない人間、生まれてこなければよかったのよ・・・」

そう言った瞬間、私は隆志に抱き締められていた。

「美姫?俺はお前が生まれてきてくれて、俺と出会ってくれて感謝してる。いらなくなんかない!!俺には美姫が必要だ。辛かったら俺のところに来ればいい。俺は、俺自身の目でお前自身を見る。」

その言葉を合図に、私は思いっきり声をあげて泣き出した。

隆志の腕のなかは、とても暖かくて、心から安心できた。

隆志は泣きじゃくる私を、優しく、けれど不安にならないように力強く包んでくれた。
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