【短編】空っぽの心
新しい世界へ
――――・・・
この出来事以来、私は隆志に支えてもらいながら少しずつではあるものの、本当の私を知ってもらう努力を始めた。
そして今日、私は隆志に告白する。
これから先、隆志といろんなものを見て、感じて、考えて行きたいと思うから。
いまさらだって言われるかもしれない。だけどこれは、前の自分との決別の時でもあるから・・・。
放課後、いつものように2人で歩く坂道。
今日も私の歩幅に合わせてゆっくりとしたペースで歩いてくれている。
私は勇気を振り絞って、声をかけた。
「ねぇ、隆志?」