【短編】空っぽの心
少し声が裏返ってしまった。

「ん?どした?」

隆志がゆっくりと振り返る。

「あのね・・・・・・」

なかなか言いださない私を心配して、隆志が顔を覗きこんでくる。

「なに?また何かあった?」

顔の近さが恥ずかしくて、首を横にブンブンと振ると、隆志は一瞬安堵の顔になり、また私に疑問の顔をむけてきた。

「絶対笑わないで聞いてね?」

「うん。」

私は少しずつ、私が感じていること、考えていること、願っていることを隆志に伝え始めた。
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