【短編】空っぽの心
「もう私なんかいなくても、たくさん友達できたでしょ?いいかげん、かまうの辞めてよ!!」

これ以上自分の惨めさを認めていたくなくて、隆志に八つ当りしている自分がいた。

隆志に向けるべきではないって分かってるのに、今まで知っていたけど認めたくなかった現実への不満が一気に流れだして、もう止められなかった。

隆志はそんな私を察してか、はたまた茫然としてかは分からないけど、静かに私の言葉を受け入れていた。

「私には心から信頼できる人も場所もない!!誰も私自身なんて見てくれてない。作り笑いでも本心で私が笑ってると思ってるし、上辺だけの私しか知らない。」

「うん。」

隆志は優しく相づちを打ってくる。

「私がどんな人間なのか知ろうともしないで、自分に都合がいいように私を振り回す。みんな大っ嫌いよ!!」

叫んでいると、自然と涙が溢れてきた。

「っく・・・誰も、私の個性を認めようとしないの。私はただの、みんなに愛想を振りまくお人形さん。みんな、私には心なんてないと思ってるのよ。」
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