シルバーブレット
「殺されてたまるかよ!!」


「!またこの女は……!!」



煌は目の前の烏田切に飛び掛かる。


またもや拳銃を奪おうとしている煌に、烏田切は抵抗する。



パシュ



「!」



しかし、煌の目的は拳銃を奪うことではなかった。


奪えないなら、弾数を減らせばいい。

弾が無くなれば拳銃は武器として成り立たなくなる。


打ち出された弾が自身か烏田切か、最悪の場合春貴に当たる可能性も捨てきれなかったのは事実。

だが、そんな悠長なことを言っている場合ではないことは煌自身が一番分かっていた。


だからこそ、危険な賭けに打って出たのだ。



揉み合いながらも、煌は引き金を引き続ける。



パシュ、パシュ……パシュ……



パリンッ……ガン…バリンッ…



乱射される銃弾が、壁や天井の蛍光灯、窓ガラスに当たり割れていく。



パシュ、パシュ……カチカチッ



「!」


「終わり、……だなっ!」


「がはっ………」



弾が切れるのと同時に、煌は烏田切の鳩尾を膝で蹴りあげる。


そして、勢いそのままに左横にいた春貴を抱えている外国人の足を横蹴りし体勢を崩す。
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