シルバーブレット
「うわっ!」


「春貴!」



よろめいた外国人と春貴の間に隙間が出来、春貴の手を引っ張り抱き抱える。


一回転して回し蹴りを決め、外国人は完全にノックアウトだ。



「煌姉ちゃん!」



鳩尾を蹴られた烏田切はいまだに動けないのか、俯きうずくまっている。

しかし、煌が再び抵抗し烏田切にも危害を加えたとあって、蘇芽を運ぼうとしていた外国人3人が煌の背後に迫る。



「入口に走れ!」



そう言うと、春貴を入口方向へ降ろす。



「俺は、素手派なんだけどなぁ。仕方がねぇよな……。こんな状況じゃぁ!!」



先程、外国人の手から離れた角材を迫り来る外国人3人に向け振り回す。



煌は現役時代も今も、ほとんど素手で戦っている。


危なくなればそこら辺にあった物を武器代わりにしたり、相手から奪った物で応戦したりしていた。


武器を使わなくてもいいように鍛練を積んでいた、というのも理由の一つだが。


なので、常時持っていたり護身用といった武器は、現役時代を含め煌は特に持ち合わせていなかった。
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