シルバーブレット
「待って下さいっ…!それはいくらなんでもっ……」


「俺の考えは変わらない。」



これまでの態度から一変して狼狽える烏田切にも、緒方は表情を一切変えることなく淡々と答える。



「自業自得だ。まさに策士策に溺れる、だな。」



今までの報いだ、そう皮肉の意味を煌は込める。



「黙れ!私にはまだ切り札がある。」

「あ?」



ニヤリと嫌らしく、烏田切の口は弧を描く。



「貴女の秘密、私は知っているんですよ?貴女の知らない、貴女の出生に隠された秘密をね。」


「烏田切!!!」



烏田切の言葉に、緒方の怒号が響く。


これほどまでに緒方が感情を表したことがないのか、志麻や瀬羅はもちろん、五課も驚いている。



しかし、その中で冷静な人物が1人。

秘密と言われた煌本人だ。



「なるほど。だから、おやっさんは俺や所轄に知らせずに、直接てめえらのところに出向いたってわけか。」



烏田切の言葉に1人納得する。
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