シルバーブレット
「規制ぐらいしとけよ、隼弥。」


「俺?!」



桐也達を視界に入れ面倒くさい表情の煌は、理不尽極まりない台詞を隼弥に言う。

まぁ、ずっと煌のそばにいた隼弥が無理なことぐらいは分かりきっているので、本気で言っている訳ではない。



「む、結灰さん……あの4…いや、6人、止めてくれない?」



秋と桐也までも加わりそうな雰囲気に、自分では押さえられないと瀬羅は煌に助けを求める。



「やるなら向こうで勝手にやれ。ガキの喧嘩に付き合ってるほど俺達は暇じゃねーんだよ。」


「が、ガキってな…お前……」


「春貴。大丈夫だとは思うが、俺と一緒に検査な。お前よりガキな連中は置いていっていいだろ?」


「うん。煌姉ちゃんと一緒に行く。」



「は、春貴~」



春貴にまで見放されてしまった秋は、なんとも情けない声と表情だ。



20歳で亡くなってしまった夏渚。

当時まだ1歳だった春貴も頼もしくなったものだ、と煌は感慨深くなる。


今年で31歳にもなろうとする秋とは雲泥の差である。
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