シルバーブレット
「その様子じゃ、なんで俺が銀龍って名乗ってたか知らねぇよな。」


「髪の一部を銀色に染め、それが龍の様に見えるから。そうじゃないのか?」



緒方が知っていた理由も、やはり隼弥達と同じだった。



「それは、表向きの話。銀龍はお袋が付けた名だ。」


「螢が?何故………」



煌の口から語られる言葉に、緒方は次々と疑問が湧く。



「俺の煌はきらめくとも読み、お袋の螢は淡い光を放つ昆虫の蛍の意味。名字の灰と合わせて灰色が輝いた色、つまり銀色。龍は……、言わなくても分かるよな?あんたの名前、龍臣からだ。」



銀龍にそんな意味があることも、螢が関わっていることも、緒方は考えもしなかった。



「まぁ、煌は、生まれた時の俺の顔がきらめいていたからで、銀龍はその後、あんたとの関係をどうするか考えていて思い付いたらしいけど。」



あんたのせいで、極道好きになっちまったらしい。

ほんとどうしょうもない母親だ。

などと、煌は呆れた口調だ。
< 129 / 146 >

この作品をシェア

pagetop